冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる




「あっ」

「悪い」



ドン、と誰かと肩がぶつかってしまった。

街を歩いていればよくあること。

だというのに。


「はっ?おい・・・」



私はたったそれだけで決壊してしまった。



もう、ずっと、限界だったんだ。



無意識のうちに押し殺していた気持ちが雪崩のように涙とともに流れ落ちていく。

家に帰りたくない。
家族の顔もクラスメイトの顔も見たくない。兄の顔なんてもってのほか。

決定権が欲しい。
私が何を着て何を食べてどこに行くのか。
何が好きで何が嫌いなのかも。