冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

兄は「お風呂に入ろ〜」と呑気に出ていったから、リビングにひとり取り残された。


そのときになってようやく、顎がジンジンと痛んでいることに気がついた。



とても動く気になれなくて、ぐしゃぐしゃになったノートを抱きしめたままズルズルとその場に(うずくま)る。

鼻の奥がツーンと痛んで、涙が込み上げてきた。



物心がついたときからずっと、分からないことばかりだ。


"そういうもの"だとあやふやな共通認識を押し付けられてばかりで、何一つ納得出来る理由を得ることが出来ない。

納得出来れば、私も普通に近づけると思うのに。そもそも納得出来ない時点で異常なのか・・・────。

もう何も考えたくないよ。



そして小学6年生の秋、ついに決壊した。



"あの日"の私のコンディションはまさに最悪で、慢性的な頭とお腹と心の痛みを感じながら、徒歩5分の塾から母親の職場までの道を時間をかけて歩いていた。