冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

自分を悲劇のヒロインに仕立て上げてヒーローが助けてくれるのを待ちわびるほど、私は受け身ではなかった。

シンデレラストーリーに憧憬(しょうけい)なんてしない。


そこで私は、自主学習をするようにと両親が大量に購入したノートを貰ったことをきっかけに、確実な証拠を残し続けることを決意した。

いつかこの地獄のような日々から解放されるために。


ノートに書くのは私がされて嫌だった言動とそれを行った人間の名前と私との間柄。

要は私の心が負った傷とその元凶だ。


このような暴挙にでたのは、この傷を刻むようなノートが文字でいっぱいになれば、私のことを分かってくれるんじゃないかと思ったから。


それに、文字に起こすことで状況を客観的に見ることが出来たから、いくらか心が軽くなった。


孤立無援だった私にとって、このノートは精神安定剤のような役目を果たしていたのだ。



そしてノートの6割ぐらいが埋まったある雨の日。


「うっわ。気持ち悪ぃ〜」

「かっ、返して!」


クラスの男子にノートに書き込んでいるところを目撃されてしまった。