冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる


へらりとした嫌な笑みを浮かべ、私の言葉を受け取る素振りもしない。
そんな態度が癪に触った。


「妹をバカにすることがいつものことっておかしいと思わないの!?」


普段大声を上げていなかったせいで、上擦ってしまった。

そんな私をヤツがまた貶そうとしたところで、騒ぎを聞きつけた母親がやってきた。


するとヤツはすぐ被害者面を貼り付け、ちょっとちょっかい出しただけなのに冴妃がいきなり怒ったって、癇癪を起こしたって。
あたかも私が異常者であるかのようにまくし立てた。


だから私もコイツに馬鹿されたと、冴えない冴妃だの無能だと散々罵ってきたと、言ったのに────。



「不満があるならその時々で言えばいいでしょ」



母親は真摯に受け止めてくれなかった。

ただ呆れた目を私に向けた。

意味がわからなかった。


私だってコイツの暴言に何年も黙って耐えてきたわけじゃない。