冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

あの場面でヤツを油断させるためにはああするのが最善策だったと、豹牙さんだって理解している。

それでも機嫌を損ねたままなのは、きっと。



「・・・豹牙さんも嫉妬するんですね」



探るようにそう口にすると、豹牙さんは私を試すように目を細めた。


「知らなかったのか?」

「初耳です」


覇道を歩んできた豹牙さんが誰かを妬むなんて想像すらしたことがなかった。


しかもそれが私への気持ちからくるものだと考えると・・・なんででしょう。少し、嬉しいような・・・。


豹牙さんが嫌な気持ちをするのは私も嫌だ。
でもそれと同時に湧いてくるこの感情も否定できない。


チグハグな気持ちを抱えたままちらりと豹牙さんの様子を伺うと、豹牙さんは頬杖をついたまま私の一挙手一投足を観察しており、その瞳には青い炎を宿していた。