冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる


誰が予算を出したのか知らないが、普段なかなかお目にかかれない高級牛肉や地方特産の野菜を堪能することができたし、構成員たちが喜んでいる姿を見れたので良かった。本当に。ここまでは。


「冴妃」

「・・・はい」

「これがどういうことか説明してみろ」

「え。・・・・・・どう、とは?」


二次会の後豹牙さんに呼び止められ、部屋に連れて来られたかと思ったら定位置に座らされ、今に至る。

目の前のローテーブルに置かれているのはテレビのリモコンとティッシュ、それと──


「なんでアイツの前でこんな声を出した」


『女子生徒を無理やり犯そうとしている城ヶ崎武』が録画されたメガネ。

豹牙さんが言っているのは、演技で無理やり喉から絞り出した甘ったるい声のことだろう。


「私の声が入っていた方が信憑性が増すと思ったんです」


そう答えると豹牙さんは不服そうに顔を顰めた。

私の回答が気に食わないんじゃない。