冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる


「あれだけ【堕天】に襲われておいて護身術を身につけようとしないだけならまだしも、構成員たちを励ますだけで包帯の巻き方すら学ばなかったそうですね」

「だっ、だって、それは誰も教えてくれなかったから・・・!」

「ですが『教えて欲しい』とも言ってませんよね?」

「そんなっ・・・。り、理不尽です!」

「世の中そんなものですよ」



何をすべきか、どう生きるべきかなんて誰も教えてくれない。

でも何もしなければ無能だと(そし)られる。

だから全部自分で考えて決めて行動しなければならない。

「自由」とはそういうものだ。


そして【黎明】は「自由」を重んじるところだから。


他人から与えられたもので満足できるお姫様にとって、この現実は厳しかったようだ。



「・・・・・・豹牙さん」

「どうした」

「疲れました。今日は早く眠りたいです」



膝に着いた土を落としながら立ち上がる。