今だって
「なんでアンタだけが特別扱いなの。悟さんも武さんも豹牙さんも裕次郎さんもみんな何で何で何で。意味が分からない。私だって頑張ってるのに」
という思考が見て取れる。
まぁ無理もないか。
だって彼女は何故私がこの地位にいるのか知らないから。
「以前、あなたは私が何をしているのか分からないと言いましたよね」
そう口にすると苦い記憶が蘇ったのか、齋藤香菜子は顔を歪めた。
「城ヶ崎悟の言葉を聞いてもまだ分かりませんか?」
──なにか有益な情報ないかなって近づいただけだよ。なのに僕らより【黎明】のこと知らなくてびーっくり。
──まぁいいけどね。本命はお前だし。
「え。情、報・・・・・・?」
「はい」
零れ落ちた疑問符を拾うように頷くと、疑問が確信に変わった彼女がガクガクと震え始めた。



