冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる


豹牙さんも同じ結論に達したらしく、私の決定をそうか、と静かに受け止めた。


だが、この場でただ1人──未だに現状を受け入れられていない者がいた。


「っふ、ふざけないで!」


齋藤香菜子だ。


「どこがふざけてると言うんですか?」


またヒステリックかと嘆息したくなったのを堪え、しゃがみこんで目線を合わせる。



「さっき城ヶ崎悟に言われたことをもう忘れたんですか?『口を慎みなよ三下』」



ヤツの言葉をそのままなぞると、彼女は慄くように目を見開いた。



「あなたの敗因はでしゃばりすぎたことです」



ただの構成員のあなたが私が幹部であることに異を唱えるべきではなかったし、私とヤツの会話に入ってくるべきでもなかった。


でもそれを伝えても彼女の反抗的な態度は変わらないでしょうね。