冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる


何故ならあるお方に目を奪われたから。


周りの視線を引きつけて離さない、全てを焼き焦がす、シリウスのようなお方。



「お疲れ様です。豹牙さん」



私が名前を呼ぶと、【堕天】の視線が全て豹牙さんに注がれた。

その後ろには裕次郎さんや浬、賢人。
更に【黎明】の構成員・計529名が控えていた。

殺伐とした空気を裂くように歩んでくる豹牙さんに一礼する。



「──時間稼ぎ、しておきましたよ」



胸に手を当て得意げに言うと、豹牙さんはこくりと頷いた。



「あぁ、よくやった。後は俺たちに任せろ」

「はい。仰せのままに」



豹牙さんの言葉をきっかけに全身の力を抜いてその場に倒れ込んだ。


もう大丈夫だ。

この抗争は【黎明】が勝つ。

絶対に。

だって、豹牙さんがいらっしゃったから。