冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

視界がぐわんと歪む。


ダメだ。まだ倒れるな。

踏ん張れ。

決してヤツに臆するな。



「当然だ。豹牙さんだろうと時には崩れる」



私が肯定したことで、ヤツが瞠目した。

何をそんなに動揺することがある?
豹牙も普通の人間のように風邪を引くし、心が弱ることだってある。独りだったらとうの昔に限界を迎えていた。



「だから、そうならないように、私たちがおそばにいるんだ」



それこそが私たちが幹部である意味だ。


削れ。
ヤツの体力を。そして精神を。

少しでも勝率を上げることが、今の私の役割。

動揺を誘え。冷静さを取り戻させるな。


さらに追撃の言葉を吐こうとしたが──寸前で呑み込んだ。