冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる


まさに均衡状態。


だが今の状況はあと何分保てるだろうか。


ヤツよりも私の方が先にバテるのは確実だ。
男と女では体力の限界に差があるから。


それに一発受けただけで腕がジンジンと痛む。

躱すだけでなく受け流そうと思ったが、この腕ではもう厳しい。


不安から生じた隙を突かれ、みぞおちを膝蹴りされた。

その反動で唇を噛み、血が流れる。

少し嘔吐(えず)いたし、口の中で血の味がして気持ち悪い。


そんな私の有様を見てヤツは愉快そうに声を上げた。


「アッハハッ、なんだ。もっと期待してたんだけど・・・大したことないね。それとも教えてくれた人が弱っちいからかな?」 


顎に手を添え、惚けたように呟く。



「やはり最強の座は僕にこそふさわしい」



全身が粟立った。