勇人はその後パワーストーンの付いたキーホルダーの持ち主が田中果林である事を知った。しかし果林とはクラスが違う事もあり、接点を持つには至らなかった。
 そして起こったゾンビパニック。果林は体調不良で学校を休んでいた事が功を奏し、ゾンビにはならなかった。
 しかし勇人はゾンビ化した不良らによって命を失いゾンビになってしまった。

「ぐっ……」

 そんな中、勇人が無意識に向かっていったのが果林の家だったのだ。勇人は不良らの情報提供により果林の住所と家を知っていたのだった。本人はストーカーじみた手段だと実感しながらも、果林にいつの間にか惚れていた点がアクセルになったのだった。
 そうこうして今に至る。

(果林……)

 ちなみに多賀野家は勇人以外無事である。姉2人は中国に留学しており、ゾンビパニックとは今の所巻き込まれていない。両親も避難所に指定された自衛隊の基地にいる。

「勇人はどうなっているのかしら……」
「電話かけても繋がらない……」
「まさか……ゾンビになってしまった……?」
「大丈夫だ。勇人なら必ず戻って来る。勇人を信じよう」

 勇人の両親は勇人を待ち続けている。