ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活

 その後もゾンビの襲撃を何度も受けるが、バイクの走行速度に助けられ、難なく交わしたのだった。
 それにしても勇人は確実にバイクに乗り慣れている。ゾンビである彼がここまでバイクを乗りこなすとは正直思いもしていなかった。

「……海!」

 車が通っていない道を真っ直ぐ走ると海が見えてきた。道の両脇には所々乗り捨てられた車やバイク、時点がそのまま放置されている。自転車やバイクは雑に横転している物も見受けられる。
 
(海は変わらないんだな)

 前方に見える海の海面はキラキラと日の光を受けて反射している。色も変わらない。あの水色の海のままだ。
 
「そこ左に曲がったら海水浴場だから」

 私の指示通りにバイクは曲がり、海水浴場が目の前に見えてきた。人は誰もいないし入口には黄色と黒のロープがだらしなく張られている。
 
「この辺にバイク停めようか」
「ああ」

 勇人が右側の堤防の近くにバイクを停めた。私はバイクからゆっくりと降りた。その後に勇人もよろよろとバイクから降りる。
 海風がひんやりと吹いて私の身体に当たる。