ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活

「多賀野くん。座っていいよ」
「……良いのか?」
「うん。立ちっぱなしじゃあきついでしょ」

 勇人は首を縦に振り、椅子にちょこんと座った。試しにテレビのリモコンを押して電源を付けるとテレビ画面にはコンビナートが炎上している風景が映し出されている。

「現在このコンビナートで火災が発生しており……」
(うわあ、こんな時に大規模な火災か……)

 別のチャンネルに変えてみると、そちらではとあるショッピングモールの地下に作られた避難所が取材を受けていた。取材に行っているスタッフは皆白い防護服を身に纏っている。

「○×町にあるショッピングセンターの地下にある避難所から中継です。今こちらではどのような状態になっているか教えていただいても大丈夫でしょうか?」

 マイクを向けられたブルーベリー色の作業着を身に纏った50代くらいの男性が口を開く。彼がこの避難所のいわばリーダー格となる人物だろうか。作業着の上には猟銃を背負っている。

「はい。食料は上の階に移動して確保しています。ライフラインは途切れていないのでその辺は心配ないのですが、いかんせんゾンビがよく見られるので私達で自警団を結成し、対処しています」
「そうですか。教えていただきありがとうございます」