私は倦怠感のある身体を引きずりながらベッドから起き上がって、椅子に座って勉強机に置かれた参考書とノートに向き合う。

（とりあえず、〇ページまでは進めておくか……）

　シャーペンを持った右腕を動かし、参考書をペラペラとめくりながら、勉強を進めていく。

「えーと、ここは……この公式で……」

　すると、私のスマホがいきなりブーッと大きく振動しながら鳴った。何だろうか。

「何だろう」

　スマホ画面に映し出された文字は「ゾンビウィルスか。各地でゾンビが発生中」という文言だった。

「ゾンビ……？」

　どうせ、熱で頭がおかしくなってるのだろう。私はスマホを閉じてまた勉強へと戻った。

（ゾンビなんて……フィクションの存在だし）

　気が付けば、時計は12時を指していた。ちょっと小腹が空いたのでリビングに向かう事にする。

「あれ……？」

　母親はまだ帰ってきていないようだ。どこか遠くにでも買い出しに出かけているのだろうか。
　私はとりあえず冷蔵庫の中を漁ると、冷凍うどんがあったのでそれを解凍＆煮込んで、煮込みうどんにして頂く。

「いただきまーーす」

　細めだがしっかりコシがあって歯ごたえのあるうどん。我ながら美味しく出来たんじゃないだろうか。

「ん。美味しい」