ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活

 じゅるじゅる……という血をすする音のような、感触のようなものが鼓膜に響いてくる。それにしても今回は長い事血を吸っているような気がする。それだけ彼は空腹なのが見て取れる。

「あ……」

 なんだか身体が徐々にだるくなっていく。もしかして血が足りなくなるくらいに飲んでいるのだろうか。

「……」

 私はだるさを我慢できず、思わずぐったりと勇人に身体を預けるような格好になってしまった。すると白い防護服を着た人々が勇人に血を吸うのをやめるように大きな声で指示を出し始めた。

「それ以上は田中さんが危ない!」
「吸血をやめるんだ!」

 勇人は私の異変と彼らの声に気が付き、首筋から顔を離す。そして私はそのまま気を失ってしまった。
 気が付くと私は元いた部屋に戻されていた。

「あ……」

 白い防護服を着た女性が3名、私のそばにいる。そのうちの1人は黒いタブレットを持っているのが見えた。

「田中さん、大丈夫ですか? 今点滴を入れていますからね」
「あ、はい……」
「結構な血を吸われていたみたいなのでそのショック的なものだろうと思われます。点滴しているので大丈夫かとは思いますが。あと
お食事しっかり取ってくださいね」
「バイタルは大丈夫そうですね。心電図取ります」