ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活

「食事終わりました。多賀野くんのところに……連れて行ってください」
「わかりました。では行きましょう」

 私はようやくこの部屋から出られる……と思った時。1人が何やら黒い布のようなものを取り出した。更に部屋には車いすが用意される。

「田中さん。この車いすに乗ってください。そして目隠しをします」
「……なんでです?」
(もしかして……機密保持的な?)
「機密保持の為です。申し訳ありませんがご了承ください」

 機密保持の為と言われたら仕方がない。私はおとなしく点滴台を押しながら車いすに乗り、目隠しを受けた。

「では、車いす動きますよ」

 視界は真っ暗で、音だけが聞こえて来る。車いすの車輪が床と擦れる音がしばらく聞こえ続けた。
 そしてどれくらい移動したかは分からないまま車いすが止まった。

「では目隠し外しますよ」
「はい」

 目隠しが外された瞬間、私がいた部屋とほぼ同じ間取りの部屋が目に飛び込んでくる。そして真ん中のベッドには勇人が私と同じ寝間着を着て、あぐらをかいて座っていた。
 私を見るや否や勇人はベッドから降りて私の元に駆け寄る。白い防護服を着た人達はすかさずその場から離れた。