ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活

「……っ。調べてきますね」

 バツが悪くなったのか、女性は私の食事をいつの間にか運び込まれていた白い机の上に乗せてぱたぱたと速歩きで退出していった。

「……」
(私以外の血を吸っているのか、いないのか……)

 食事はプラスチックの白いお茶碗に盛られたご飯とほうれん草のおひたしにサバを焼いたものと卵焼きだ。サバを見た時あのゾンビサバが頭によぎったのは誰にも言わないでおこう。
 トレーには割り箸と半透明のビニール袋に入った歯磨きセットも置かれてある。更にピンクのプラスチック製のコップにはホットミルクも入っていた。

(食べるか……)
「いただきます」

 ここまで健康的な和食を食べるのは久しぶりだ。割り箸を割ってほうれん草のお浸しから食べ進める。お浸しに使われている調味料はゆずのポン酢だろうか。酸味が効いていて美味しい。

「む、美味しい……」

 卵焼きは甘さがこれでもかというくらいに出ており、その奥に白だしと思わしき風味が感じられた。最初口にした時は砂糖を入れ過ぎではないかと思ったが、食べ進めるうちにこれはこれでありかもしれないと感じるようになった。