ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活

「よいしょっと……」

 テレビのサブチャンネルでは変わらず大水槽を泳ぐ魚達が映し出されている。いわしの群れにサバにカツオにエイ。優雅に力強く泳ぐ様子は見ていて癒される。

(やっぱりこのチャンネルがいいな、気にせずずっと見ていられるし)

 すると、勇人が私の左横に座る。そして左手を上からぎゅっと握った。それにしても冷たい手だ。私はもう慣れてしまったが。

「果林……」

 私の手を握っていた彼の手が、もう片方の手と共に私の頬に触れる。そして互いの唇が重なった。
 唇の割れ目から舌が割って入り、私の舌と絡まりあう。

(ドキドキする……)

 勇人の冷たい舌と私の熱を放つ舌が複雑に口の中で絡まりあう。冷たさと熱さがまじりあい、ぬるい部分が刺激的ともいえるようなそんな感覚を覚えるのだ。
 しかもこのぬるい温度はよくよく考えたら午前の熱くない日に行われる水泳授業でのプールの温度と似ているような、似ていないような。私の気のせいかもしれないが。
 唇がゆっくりと離れると、互いの唾液が互いの口からきらりと糸を引いた。