ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活

「そうですね。患者の人権問題もありますのでね。難しい所ではありますがね……」
 
 リモコンのボタンを押して他のチャンネルも見てみる。相変わらずゾンビのニュースばかりだ。サブチャンネルでは水族館の巨大水槽をマンタが泳いでいる場面が流れている。

(そういえば他のチャンネルもサブチャンネルやってるのかな)

 試しにぽちぽちリモコンのボタンを押してみるが、サブチャンネルは1局だけのようだ。

「果林?」
「え、ああ……」

 勇人に声をかけられた。立ちっぱなしだったので心配してくれたのだろうか。勇人は一旦部屋から出ると、駐車場に移動する。

(あ、バイクに荷物括りつけたままだ)

 私も駐車場に降り、バイクとリュックをつないでいたひもを外し、リュックを部屋の中に運ぶ。そして食料は常温で保存できそうなものは机の上に置き、それ以外は冷蔵庫の中に入れた。

「これでいい感じ、かな?」

 片づけが終わった後は水回りを確認する。廊下を挟んだ向こう側に洗面台と浴室、トイレがあった。どれもある程度は掃除が行き届いている。それにトイレットペーパーも3つほど確認できた。

「これは?」

 突き当りに茶色い小窓と扉がある。扉は鍵がかかっており、中には入れない。小窓も同様だ。

(何だろう……スタッフ用とか?)