ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活

 小さなテレビが置かれた木製の茶色い棚の下には小型の白い冷蔵庫が設置されていた。

「これまだ使えるかな……?」

 冷蔵庫の扉を開くが中は冷たい。使えるようだ。
 また机の上にはテレビのリモコンがある。電源ボタンを押すとゾンビパニックを伝える民放のニュース番組が流れ出した。

「タイプヴァンパイアが全国で相次いで確認されていますが、これはウィルスの変異も考えられるのでしょうか?」

 紺色のスーツを着たベテラン風の女性アナウンサーが解説者と思わしきスーツ姿の研究者にそう尋ねている。

「桜風医療研究所からはその変異株の可能性も視野に調査しているとのコメントでしたよね。私もその可能性はあると考えています。まだまだ普通のゾンビと比べるとタイプヴァンパイアは少ないですが、それでも発見数が増えていますからね」
「成る程、確かにタイプヴァンパイアの発見数はここ毎日報告されていますね」
「そうでしょう? それにタイプヴァンパイアは捕獲があまり進んでないんですよ。若い男性という事もあって血気盛んな若者だらけ。仕方ない事かもしれませんがね」
「桜風医療研究所はタイプヴァンパイアの捕獲に自衛隊や特殊部隊も動員させたいという意志も示したと、伺っております」