まことは、パーカーにリュックを背負って出かけた。崋山が先頭にたった。そうして、教会についた。まこと、泰山、崋山は教会に入った。
 教会。前に説教台があった。椅子が並んでいた。がらんとして誰もいなかった。
 「ダミアン神父」
 と、崋山が大きい声で言った。
 「ダミアン神父」
 「ああ」
 見ると、一番前の椅子のとこからむっくり起き上がったものがあった。白髪の天然パーマ、ショートヘアの男だった。黒い服を着ている。
 「ダミアン神父」
 と、崋山。崋山は前の方へ歩いた。泰山と、まことも歩いた。
 ダミアン神父はたった。神父は片手を後頭部にやった。
「ああ、眠ってたよ」
 「そうですか」
 と、崋山。
 「あのう、これが今日越してきた、麻戸泰山と、その娘さんのもことさん」
 「ああ、初めまして。ミスター麻戸、ミスまこと」
 「み、ミスだってえ」
 と、まこと。まことは喜んだ。
 「そうしてこちら、ダミアン・カラス神父」
 と、崋山。
 「初めまして」
 と、泰山。
 「は、初めまして」
 と、まこと。
 「さて、挨拶はそのへんにしといて、お祈りせねばのう」
 「ああ、はいはい」
 と、ダミアン神父。
 ダミアン神父は説教台についた。崋山、泰山、まことは椅子に座った。四人祈った。
 祈り終えると、泰山と崋山はダミアン神父と話し出した。