「うわぁ、やっぱり当日だから人でいっぱい!

でも、やっぱり賑わいがある方がいいよね!

「あ、あれも美味しそうー!

並んで来るねー!」

言うが早いが、繋がっている俺の手を離して、列を作っている箇所の最後尾に並ぶ俺の彼女。

浅川 深月(あさかわ みづき)

「屋根が付いてるから、寒さはしのげそうだな。

買ったもの食べられるスペースに座って待ってる。
ゆっくり買って来いよ」

俺の交通ICカードを渡しながら、いちごプリンを楽しみにしている彼女に声を掛けた。

「ありがとう!
あれ、これ、ミッチーのやつじゃん?
自分のは自分で……」

「プリンくらいは付き合う。
何も食べないのは店側としても困るだろうし。

ってことで、俺の分もヨロシク。

買ったらさっさと引き上げてこいよ。
また風邪引かれたら困る」

甘いものはあまり好まないが、たまにはこういうのもいい。

地元から数駅先の広場で、クリスマスに合わせていちごスイーツの出店がたくさん並ぶイベントが行われていた。