最初ではキャンディスがアルチュールを虐げるのではないかと疑ってかかっていたジャンヌも今ではすっかりとキャンディスを信頼しているようだ。
それにジャンヌは最近、キャンディスまでもアルチュールと同じように叱ってくるではないか。

それにはキャンディスもジャンヌに反論しようと思ったが、なんだかそんな気分になれずに唇を噛みつつもジャンヌの説教を聞いている。
ジャンヌに好き放題言われると腹も立つし頭にくるけれど、色々と注意されるのは何故だか悪い気はしない。

アルチュールの心が洗われるような素直さと優しさに無意識に影響されていることにも気づくことなくキャンディスは上機嫌で中庭へと向かう。
今はエヴァとローズに準備してもらっている。
髪は高い位置で二つに結えてもらい、イエローと白のフリルが可愛らしいドレスを着て準備万端だ。

シェフには野菜が練り込まれたお菓子を作ってもらった。
サラダを苦々しい顔で食べているのを見たシェフは、キャンディスが食べやすいように野菜を加工してくれている。
おかげで今では食べれるものも増えてきた。
キャンディスが皿を空っぽにするとシェフたちは嬉しそうに顔を綻ばせる。
その顔を見たくてキャンディスは食事を完食するようになった。