大神様の呪いのふみきり

「はい。こんどレポートにまとめて提出するんです」
「私達の時代にはそんな宿題なかったけど」

凛子が棘のある言葉を投げつけてくる。
さっきの女性よりも随分と警戒されていることがわかる。

「俺たちが卒業してから随分たつから。授業のやり方だって変わったんじゃないのか?」
優しい笑顔を浮かべて洋平が言う。

どうやらこの男性も大禍中学の出身みたいだ。
四葉たちのことを懐かしそうな目で見ているのはそのためだった。

「ふぅん? で、なにが知りたいの?」
凛子の声は相変わらず刺々しい。

「坂谷さんが中学時代に出会った面白いこととか、事件とか、事故でもいいですよ」
沙友理が探るように言うと凛子が一瞬顔をしかめた。

「事件や事故までレポートにするなんて、悪趣味ね」
「凛子、そんなこと言わなくてもいいだろ。勉強なんだから。あ、そうだ。卒業アルバムでも見てもらったらどうだ?」