キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


ホッと安堵の息をついていると「どうぞ」とドアが開けられる。

乗ってもいいのかな……。

凌生くんを見ると「先に乗れよ」という視線。


「お、お邪魔します……っ」


そして私たちはB地区を離れて、買い物に出た。


前に麻琴ちゃんとショッピングをしたのは、何週間前だろう。

久しぶりの買い物に、胸がドキドキ、ワクワク。

気分の高鳴りは顔にも出ちゃってたようで、隣の凌生くんが「ぶっ」と吹き出した。


「どこへ行きたいですか、お嬢様?」

「え、」

「違うな。人質さま? か」

「……」


一瞬だけ、本当にドキッとしちゃった。

だけど次に聞こえた急なリアルな「人質」の単語で我に返る。


いろいろあって忘れそうになってるけど、私は人質で道具だから。

浮かれすぎても、それは何の意味のないこと。