キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


雷斗くんと別れてすぐに建物を出る。

そして、初めてB地区を外から眺めた。


見た目は商店街の入り口。

その敷地内に、私がいた建物がひっそりと建っている。


「初めて見た……」


私が住んでる街なのに、そこは確かに知らない場所だった。

異色を放つB地区はすごく目立っている。

これは、街の噂になるわけだよ。


「未夢、こっち」


圧倒的な光景を目の前にした私は、凌生くんに車に乗るよう促された。

車の前に立って控えていたのは、短髪に褐色肌の男性。

あ、私に食事を運んでくださった方だ!


「自己紹介が遅れてしまい申し訳ありません。凌生様の秘書をしておりますオリと申します」

「き、昨日はありがとうございました。ごはん美味しかったです。残しちゃって……ごめんなさい」

「いえ。徐々に食べられるようになればいいですね」


二ッと笑ってくれた男性――オリさん。

優しい人だ、よかった……。