キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「しょせん君は人質で、それ以下はあってもそれ以上は絶対にないんだから」

「!」



――大事な人質に傷が入っちゃダメ、って事で守ってるだけだから。春宮が未夢ちゃんの事を好きとか、そういうのは絶対ないよ



あのことを言ってるんだと、すぐに分かった。

顔を下げた私を見て、雷斗くんがニヤリと笑う。


「ハンカチも返したいし、またお話ししようね未夢ちゃん?」

「……は、ぃ」


雷斗くんが満足げに私を見つめているのが分かる。

だけど、私を見るもう一つの視線――凌生くんだ。

雷斗くんとは反対に、どこか不満げな顔で私を見ている。


「ハンカチって?」

「イレイズが私の部屋に来た時、雷斗くんと梗一くんが助けてくれたんです。その時に雷斗くんが怪我をしてしまって、応急処置にって」

「……ふーん」


ちょっとトーンダウンした声。

私、なにか怒らせるようなことを言っちゃったかな……?