キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


凌生くんの言葉に、少しだけ胸のつっかえがとれた。

もちろん、私を買い物に連れて行くための凌生くんのウソだって分かってる。

だけど、肩の荷が下りた気がして……行っていいんだって、安心した。


「わ、分かりました……いきます」

「ん」


ポンと頭を撫でられ部屋を出る。

するとタイミング良く、雷斗くんと出会った。


「あれ? どうして未夢ちゃんが幹部専用のフロアにいるのー?」

「幹部専用のフロア?」

「このフロアには幹部しか住んでいない。と言っても、毎日いるわけじゃないがな」

「そうなんですね」


ということは、四つの扉の向こう側に、雷斗くん、梗一くん、怜くんがそれぞれいるということかな。


「未夢は今日から俺の部屋で過ごす」

「えー! そうなんだ。じゃあ引っ越し作業中?」

「いや、買い物だ。未夢の〝なり〟は見られたもんじゃないからな」

「う……っ」


言葉につまった私を、凌生くんが笑って見た。

そんな私たちを……雷斗くんが訝しげに見ている。