キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「もっと近づけっての、ほら」

「だって、こんなにベッドが大きいのに、わざわざ近づいて狭くなる必要はないかと……」

「……」


顔をムッとさせた凌生くん。

次に「はぁ~~~~」と、それはそれは長いため息をついた。


「センスなし。今の回答ゼロ点」

「え、えぇ……?」

「理由なんかいらない。俺が来いって言ったら、未夢は何も言わずココに来ればいいんだよ」

「え、わぁ!」


ココ――と言われた時に、凌生くんは私の腕を引っ張る。

そして二人の距離を一気に縮めた。


ギュッ


「……り、凌生くん」

「なに」


なに、と言った声は、わずかにゆっくりで。

凌生くんの体がホカホカしている事に気付く。