すると凌生くんの口から説明がある。
内容は、やっぱり私を監視するため、というもの。
「秋國が〝私は忙しい〟だなんだ言って、監視役を断ったんだよ。他の幹部もやりたがらない。なら未夢は、俺と一緒にいるしかないだろ」
「幹部の方ではなく一般隊員の方には、」
「頼めるか。お前が何されるか分からない」
「!」
それって、私が総季家の娘だからだよね。
ここはB地区。総季家を恨む人たちの集まり。
状況によっては、すぐにボコボコにされてもおかしくないんだ。
私は、ここでも嫌われ者だから――
「この建物は圧倒的に男が多いんだよ。そんな中でお前を野放しにしてみろ。すぐにヤられ、」
「……大丈夫です、殴られる覚悟は出来ているので」
「は? そういう意味じゃないっての」
はぁ、とため息をつく凌生くん。
お疲れなところに私が一緒に住むようになって、凌生くん大変になるよね……。
何か私に出来ることがあればいいんだけど……。
あ、そうだ。



