キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「凌生くんも……じゅ、じゅうぶんに子供ですっ」

「こんな大きい男のどこが子供なんだよ」


反射した赤いピアスが、たまに壁に写っている。

まるでステンドグラスを反射させたみたいでキレイ。


改めて部屋を見ると、私がいた部屋とは違い、黒色が基調な部屋。

壁も黒色だから、すごくダークな印象。


「色は違いますが、凌生くんの部屋……家具がほとんどなくて、私の部屋とそんなに変わらないですね」

「でもトイレとバスルームはある。この部屋にいれば、いちいち外に出なくていいから楽だぞ」

「……あ、あの」


どうして私が凌生くんと一緒の部屋なのか、納得いかなかったけど。

もしかして――


「私を監視するために一緒の部屋になった……というわけですか?」

「……」


何も言わない凌生くん。

でも、この場での沈黙って、いわゆる「yes」だよね?