キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


すると部下らしき人たちにイレイズを運ばせた梗一くんが、雷斗くんを呼ぶ。


「夏屋いきますよ。幹部は下に集合らしいです」

「え~、こんな早朝から?」


ぶつくさ言いながらも雷斗くんは従うのか、梗一くんと共に部屋を出て行く。

そして「では」も「また」も無く、二人はドアを閉め……

ようとして、先ほどイレイズによりドアを破壊された事を思い出す。


「ドアが無いとさすがに不味いんじゃない?」

「風通しが良くていいじゃありませんか」


ニコッと笑う梗一くん。

綺麗な笑みを張りつけたまま、ナイフを仕込んでいる袖に手を突っ込んだ。


「逃げたら自分の身がどうなるか、賢い未夢さんなら分かるでしょうし」

「……に、逃げないので、ナイフは出さないでください」


すると梗一さんは「よろしい」と頷き、雷斗くんと行ってしまった。


本当にドアは壊れたままなんだ。

さっきの事もあるし、さすがに怖い……っ。


「あ、あの……っ」


だけど願いも虚しく、部屋から遠ざかる二人の足音。

私は空を切りながら、伸ばした手をゆっくり下げた。