キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「じゃ、分かったらさっさと寝ること。俺らはイレイズに用があるから行くね」

「あ、あの! ちょっと待ってくださいっ」

「ん?」


ベッドから離れようとする雷斗くんの手を掴む。

そしてポケットに入っていた自分のハンカチを、血が滲み始めた擦り傷の上からそっと巻いた。


「なにこれ」

「お、応急処置です……。さっきは助けていただき、ありがとうございました」

「……」


もう一度、頭を下げる。

すると雷斗くんは「毒牙を抜かれるなぁ」と呆れた声で笑った。


「マジで春宮に頼んでみようかな。俺が第一号になっていいかどうか」

「……雷斗くん?」


小声で聞こえなかった。

雷斗くん、なんて言ったの?