キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「ねぇ輩ってイレイズの事だよね? まさか俺も入ってる?」

「さぁ」


言い合う二人を前に、少しだけ顔を赤くしてしまう。

だって、



――春宮から〝監視役を頼まれた〟と

――監視とは、こういう輩(やから)から未夢さんを守るためですよ



まさか凌生くんが、私を気にしてくれていたなんて――


「~っ」

「……言っとくけど」


嬉しそうにはにかむ私を目ざとく発見した雷斗くんが「勘違いしないでね」と。

私の輪郭を、冷たい手でスルリと撫でる。


「大事な人質に傷が入っちゃダメ、って事で守ってるだけだから。春宮が未夢ちゃんの事を好きとか、そういうのは絶対ないよ。

だから自分が傷つく前に〝淡いもん〟は捨てときな。胸の中に大事にとってても、あとから重荷になるだけだよ」

「わ……、わかってます」


下唇を噛んで、頭を下げる。

さっき……雷斗くんの声が少し低くなった気がした。

そう感じるくらい、重たい言葉だった。

そっか、私は……


浮かれちゃいけないんだ。