キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


うっ。

思い出すだけで精神的ダメージを負うから、笑わないでほしいな……。


「そーかそーか、人質で道具ねぇ。

――で?

未夢ちゃんが人質だったら、俺は何してもいいの?」

「い、いやです。でも拒否権はないものだと、」


思って、いたので……――


言葉に詰まり、そのまま口を閉じる。

すると反対に、雷斗くんが勢いよく吹き出した。


「ははっ! 安心しなよ。さすがに春宮の許可なしに、未夢ちゃんをどうこうはしないからさ」

「凌生くん?」


どうして凌生くんの名前が?

不思議に思っていると、イレイズの身体調査を行っていた梗一くんが「言ったでしょう」と、男から目を離さないまま話す。


「春宮から〝監視役を頼まれた〟と。監視とは、こういう輩(やから)から未夢さんを守るためですよ」

「!」