キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


想像した時だった。

バキッと大きな音がしたあと、ドアが木っ端みじんに破壊される。

それと同時になだれ込んだのは、黒いマスクをした男。


「え、また一人?」


素っ頓狂な声を出した雷斗くんは、男めがけて拳をふるった。

しかし男は大柄のわりに身軽らしく容易にかわされる。


その時だった。


「――お前、だ」

「っ!」


なぜか男が私を見つめる。

急いで毛布をかぶり男から姿を隠した……けど、確実に目が合ったよね?

私を見て「お前だ」って言ってたし……。


なに、どういうこと?

こわいよ……っ!


毛布の下で震える私の耳に「うわ」とか「ぐっ」とか、うめく声が聞こえる。

かと思えば――ぱったりと静かになった。


男は、まだそこにいるの?

自分で確認すればいいけど、怖くてできない。

それに、もしも私の前に男がいたらと思うと――


バサッ


「きゃあ!」