キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「秋國もいるならちょうどいいし。さっきの続き、三人でどう?」

「……はぁ、仕方ないですね」


ちょうど私の部屋に戻って来た私たちは、扉の前で止まる。

雷斗くんがドアを開けて「さぁどうぞ?」と言ってくれたけど……怖くて動けない。

いやだ、行きたくないよ……っ。


すると梗一くんが「未夢さん」と私の頭に手を置く。

まさか、助けてくれるの……?


と思ったけど、それは都合が良すぎる解釈で。


梗一くんは和服の袖に手を伸ばし「分かってますよね?」と鋭い瞳を私に向けた。


あの袖の中にあるのはナイフ。

従わないと傷つけるって、そう警告してるんだ。


「入ります……っ」


目にたまった涙を落とさないよう零さないよう、そろりそろりと前へ進む。

そんな私を、雷斗くんと梗一くんが静かに見ていた。

二人にしか分からないアイコンタクトを取りながら――