「……今のどこに笑う要素がありました?」
「す、すみません……」
しまった、少しだけニヤけていたみたい。
引き締めなくちゃ……っ。
ムギュッと顔に力を入れる私を見て、なぜか梗一くんが私から目をそらす。
そこに偶然会った雷斗くんが「秋國が笑ってる⁉」と目を開いて驚いていた。
梗一くん、笑ってたんだ。
私の顔……そんなに変だったかな。
「ごほん。どうして夏屋がここに?」
「さっき春宮に邪魔されたんだよ。〝後にしろ〟って言われたから、時間を置いて来たってわけ」
「え……」
さっき雷斗くんは、私を襲おうとした。
それを凌生くんが止めてくれたけど……。
「後にしろ」って「するな」って意味じゃなくて……「後でならしていいよ」って事なの?
「……っ」
これから私は、またベッドに押し付けられて、それから――
そう考えると怖くなって、ぎゅっと両手に力を込める。
どうか私の勘違いでありますように、と願い続けた。
だけど――



