キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「うっとうしいから離れろ。兄妹水入らずだぞ、気を利かせろ」

「いや俺にとってはアンタはライバルだし、二人きりにさせるとか無理むり」

「お前ってやつは……」


二人が言い合いながらB地区を出ていくのを見て、残ったみんながクスクス、そしてゲラゲラ笑っていた。


だけど、少しだけ浮かない顔をしているのは雷斗くん。


「どうかしましたか、雷斗」

「……俺の償い、ちゃんと出来たかったなって」

「償い?」


すると雷斗は「梗一にも怒られたことあったじゃん」と眉を下げた。



――春宮が未夢ちゃんの事を好きとか、そういうのは絶対ないよ



「あぁ、アレですか。どうしてあんな事を?」

「それが……俺にも分からないんだよねぇ。

たださ」


手鏡で最終チェックする私を見て、雷斗くんは呟いた。


「凌生と未夢ちゃんが昔から両想いなのは、見てて分かってたから……悔しかったのかもね。きっと凌生に取られたくなかったんだよ」