キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「あ、待ってよ。お兄ちゃんっ」


お兄ちゃんに伸ばす手をパシッと取ったのは……凌生くん。

背後に黒いオーラが見えるのは、気のせい?


「どうかしましたか、凌生くん?」

「俺にはなかなか敬語とれないくせに、覇鐘にはあっさりとっちゃうんだなぁって。それが気に食わないだけ」

「あ……」


そうだった!

凌生くんからも「敬語はなし」と言われたんだった!

しかも敬語を使った罰として、さっき散々いやらしい事をされたのに……!


「あ、あぅ……」

「ふっ」


赤面したまま固まった私の耳元で、凌生くんは呟いた。


「帰ったら、部屋でさっきの続き。な?」

「っ!」


バッと耳を覆った私を通り過ぎ、凌生くんは「待ってよ~オニーサン」とわざとらしく言った後、お兄ちゃんの後を追う。

一緒に買い物に行く気満々……なのかな?