キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「お兄さま……」


去っていくパトカーを見守る辛さって……言葉にできない。

きっと色んなことが一気に判明したからだと思うけど……。

一つだけ言えることは、


「お兄さま、必ず帰ってきてください」


いつだって私の無事を願ってくれたお兄さまに、私はまだ「ありがとう」を言えてない。

たくさんの愛情に包まれていたと知ってから、お兄さまと話せていない。


だから、ねぇお兄さま。


「今度こそ一緒にご飯を食べましょうね」


ゆっくりお話をしながら。

好きな物、嫌いな物を分け合いながら。

そうして今まですれ違ってきた二人の時間を、少しずつ埋めていきたいよ。


「って言ってるけど未夢。長年ひどい態度だった兄貴を、そんな簡単に許せるのか?」


私の顔をのぞき込む凌生くん。

確かに、私もそう思うよ。