キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「総季の終わりは、父の代になった瞬間から見えていた。それなのに、みすみす養女になりに来て……バカな奴だ。

さっさと出て行けば良かったんだ。没落令嬢の未来なんて明るいはずがないのだから」

「……」

「お前も、未夢をもらうというなら急げ。総季の解体は近いぞ。天下の苗字が汚名に変わる前に、妹を総季家から逃がしてやってくれ」


頼む――と頭を下げるお兄さまに、凌生くんはため息で返した。


「さっきの答えになってないな。結局、未夢を妹だと思ったことあるのか?」


するとお兄さまは「バカ言え」と。

両方の拳を強く握った。


「俺の目には、いつだって可愛い女の子だったさ」

「――……そうかよ」


ちょうど、その時。

パトカーが到着した音が聞こえる。


まずは金髪たちがパトカーに乗せられ、次にイレイズの集団。

そして最後に、お父さまとお兄さまが「重要参考人」として連れて行かれた。