キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「父の悪行は俺が暴く。これからすぐにでも総季の時代は終わる。

そうなる前に、未夢は総季を出て行け。その中の誰かとでも結婚して苗字を変えることだ」

「え……えぇ?」


結婚?

急に現実的なワードが出てきて、思わず頬が赤くなる。


「あ、でも、お兄さまは……」

「俺は昔から〝俺の代で総季を潰す〟ことばかり考えていた。総季の尻拭いは俺がする。お前は何も気にしなくていい」

「でも……」

「……未夢」


ふっ、と笑ったお兄さま。


「最後に兄貴らしいことをさせろ。お前が自由で幸せになることが、俺の願いであり償いなんだから」

「――~っ」


すると、いつの間にか私を降ろした凌生くんが眉を顰めた。

そして「話は変わるけど」と、私とお兄さまの間にズイッと割り込む。


「アンタは一度でも未夢を〝妹〟として見たことあるのか?」