「いくら跡継ぎになるための勉強をしたところで、妹一人守る方法も思いつかない。小学生の俺が必死に考えた答えが、未夢を家から追い出すために冷たい態度で接することだった。
大きくなるにつれ、その方法は間違いだったと何度も悔いた。だけど悔いたところで……もう未夢は俺に怯え切っていた。
目も合わなくなったと気づいた時、なんてことをしたんだと後悔した。償っても償いきれない、と。だから、」
「だから、さっき……ここで死 のうと思ったのですね? 私を逃がした後、金髪たちに殺 されようと……」
「……総季家が未夢にしてきたことは大きい。俺も同じだ。お前を苦しめた罪は……何をしたところで消せるものでは無い」
「でも……」
それは、元をたどればお父様のせい。
小学生だったお兄さまが「妹の命を守らなければ」なんて。
そんな現実を突きつけられ、どれほど苦しかっただろう。
お兄さまも同じだよ。
私たちは、同じ被害者だ。
するとお兄さまが「未夢」と。
私の名前をゆっくり呼んだ。



