キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ



『みゆの、おにーちゃんっ!』

『!』



にこっと笑ったお兄さまは照れていて……。

小さな体に似合わない大人びた雰囲気が一気に抜け、年相応の笑顔を見せてくれた。



『そうだよ、ぼくが未夢のお兄さん』

『やったぁ!』



その瞬間から、私たちは義兄妹になって楽しく過ごすはず……だったんだ。


それなのに――


「では、いつも私に冷たい態度を取っていたのは……」

「俺がツラくあたれば、未夢は家から逃げていなくなると思った。こんな総季家に未夢はいない方がいい。その方が絶対に幸せになれるのだから、と」

「……だからって、未夢に直接言わなきゃ伝わらないだろ。そんな幼稚な方法で、」


と凌生くんが言った時。

お兄さまは泣きそうな顔で笑った。


「そうだ。俺のしたことは……酷くて、幼稚だった」

「お兄さま……」