反対に、ため息をついたのは梗一くん。
「そう思うなら、イレイズを一切送らないでほしかったですね。最終的には毒を盛られたわけですし」
毒――と梗一くんが口にした時。
お兄さまは怜くんを見た。
「イレイズを一切送らないのは、父が怪しむから出来なかった。それに……毒は俺の指示じゃない。父親が独自で刺客に指示したことだ。
俺は父が毒を入手した場面を見ていた。だから解毒剤を入手し密かに怜に託した。……報告によると、誰かの役に立ったようで何よりだ」
その時、お兄さまは凌生くんを見て笑った。
ということは、誰が毒を飲んだか知っているのかな。
反対に、笑われた凌生くんはムッとしたらしく顔を歪める。
「どうしてB地区にいる未夢を、わざわざ総季家に連れ戻したんだよ。B地区の方が安全なら今のままで良かったろ」



