キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「……なんでもねーよ」


そういえば総季家から帰る際に自分も手刀を決められたんだった――と思い出し、凌生くんは思わず自分の首の後ろへ手を当てた。

そして怜くんをジトリと見る。


「元からきな臭いと思っていたけど、まさか覇鐘とここまで仲良しだったとはな。内緒にしないで、言ってくれりゃ良かっただろ。怜」


凌生くんの言葉に、怜くんが反撃する。

「だって口止めされていたし」と。

さらには――


「俺と覇鐘は元クラスメイトで、一応トモダチだったし」


「え、クラスメイト……っ?」

「友達ぃ!?」


怜くんとお兄さまが?

でもお兄さまは大学一年生で、怜くんは高校三年生だよね?


すると雷斗くんが「そー言えば」と笑った。


「怜は一回、留年したもんね~?」

「……夏屋」

「あ、怜くん。名字呼びはダメだよ? フロンティアは一致団結したんだから名前で呼ばないと、」

「夏屋夏屋夏屋夏屋、」

「わー! 怜クンの意地悪~!」