キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「や、やめて……っ」

「はいはい、さっさとやっちゃうから――ね!」


ナイフの切っ先が、転がっている私へと一直線に降りてくる。

私の体は、もう一人によって動けなくされているから逃げ場がない。

……やだ、こんな所で死ぬなんて嫌だよ。


お兄さまに真相を聞いてないし、麻琴ちゃんとも遊んでいない。

雷斗くん、梗一くん、怜くんにだって、もう一度会いたいの。

それに、


「好きな人に、大事な事を伝えてないよ……っ!」


ギュッと目を瞑った時だった。

ドスッと鈍い音がする前に、私の体はふわりと浮いて……。


「おい」


聞き覚えのある声が、上から降って来た。


「部屋から出るなって言っただろ。やっぱり足りない脳では覚えられなかったのか」

「お、お兄さま……っ」